てんかんとは

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てんかんの概要

てんかんとは、脳内を走る電気が何らかの要因によってショートしてしまい、発作やけいれん等の症状を起こす病気の事です。

通常、脳内では150億~200億個に及ぶ神経細胞の間を微粒な電気が通り、脳波として体の外から来る情報を脳内に流しております。

この電気が過剰に流れてしまうと、脳の機能が大混乱となり、脳内から体に送られる信号がめちゃくちゃになってしまいます。

結果として、突然意識が朦朧としたり、手足が震えてしまったり、口から泡を吹いて倒れこむといった発作が起こるのです。

てんかんは慢性的な脳の病気と言われており、非常に古くから症状が確認されている歴史のある病気です。

紀元前の時代から、しばしばてんかんを患った著名人が歴史に名を残しております。

てんかんの種類

てんかんの分類は大きく分けて2つの分け方があります。

症状の範囲と、原因の有無です。

部分てんかんと全般てんかん

脳内の電気が部分的にショートして徐々に広がっていく症状を部分てんかん、一度に脳全体の電気がショートしてしまう症状を全般てんかんと呼びます。

部分てんかんと全般てんかんは治療薬も違い、抗てんかん薬の中でもこの2つは全く別の症状とみなします。

テグレトールは部分てんかんの第一選択薬ですが、一部の例外(強直間代発作)を覗いて全般てんかんの症状には効果がありません。

部分てんかんの中でも、脳内のどの部分から発症しているかによってさらに細かく分けることができます。

側頭葉てんかん

側頭葉から始まるてんかんです。主な症状としては何らかの前兆の後に一点を凝視し、自動症と呼ばれる無意味な動作を繰り返します。

前頭葉てんかん

前頭葉から始まるてんかんです。主な症状としては複雑部分発作、捻れる発作(向反発作)、全身けいれん発作、転倒発作があります。

頭頂葉てんかん

頭頂葉から始まるてんかんです。主な症状としてはしびれ、痛み、などの知覚症状があります。

後頭葉てんかん

後頭葉から始まるてんかんです。主な症状としては目の前に光が見えるといった視覚発作があります。

特発性てんかんと症候性てんかん

原因不明なものを特発性てんかん、明確な原因があるものを症候性てんかんと呼びます。

脳に何らかの損傷や歪みがある事に起因するてんかんは症候性てんかんであり、脳の不具合を根治しない限りてんかん症状の治療は難しいとされております。

これに対し、脳の不具合が一切ないにもかかわらず発作が起こるてんかんがいわゆる特発性てんかんです。

厳密に言えば、ある程度は要因が判明しているてんかんを指します。

つまり、家族で同じてんかん症状が見られる場合など遺伝性の強いものが一般的に特発性てんかんと呼ばれます。

しかしながら、あくまで遺伝性というのは発見されているものの一つであり、脳の不具合や遺伝に一切関係ない症状も見られます。

さらに症候性てんかんと特発性てんかん以外にも、潜因性てんかんという例外もあります。

これは現在発見されているてんかん要因をもとに、てんかん症状を引き起こす可能性が疑われている状態を指します。

ただし、前述のように原因として断定はできない状況ですので、将来原因として断定された場合に症候性として分類され得るてんかんです。

部分てんかんの症状

てんかんの症状は非常に多岐にわたりますが、大きく分けると部分てんかんと全般てんかんに分類されます。

部分てんかんの症状としてはさらに、「単純部分発作」と「複雑部分発作に分かれます。

単純部分発作

単純部分発作の症状としては、主に以下のものがあげられます。

運動発作

手や顔の一部が無意識のうちにピクピクとひきつる、目や頭が片方に強く回転する、勝手に声がでてしまうといった症状です。

感覚発作

身体の一部がピリピリと痺れたような感覚になる、見えるはずのないものが見える、見えていたものが見えなくなる、そのほか幻聴や幻臭といった症状を指します。

自律神経発作

悪心や嘔吐、胸の締め付けといった症状です。

精神発作

言いたい事がわかっているのに言葉が出てこない、言われている事の意味が突然わからなくなる、既視感、夢を見ているような気分になる、急に恐怖や不安を覚える、見えているものが遠く小さく見えたり、反対に近く大きく見えるといった症状です。

複雑部分発作

部分発作の症状において、意識が遠のいた状態で発作が起こる場合があります。

これを複雑部分発作と呼び、単純部分発作との違いとして発作中に意識がないという点で区別しております。

無意識の状態で発作を起こすため、発作中は自分が何をしているか自覚してません。

口をパクパクさせたり、意味もなく歩きまったりする「自動症」という症状がでます。

発作後もしばらく意識が朦朧としたり、気分が不安定な状態が続きます。

しばしば泥酔や薬の副作用と間違えられる症状ので、よく観察しなければなりません。

これらの部分発作の後に全身がけいれんしてしまう全般発作につながる場合もあります。

意識を失った後で手足が痙攣するような状態は、前半が部分発作で後半が強直間代発作にあたります。

全般てんかんの症状

全般てんかんは大脳全般に症状が行きわたった疾患です。

部分てんかんとの違いとして、まず最初に意識を失うという特徴があります。

全般発作の中でもさらに以下の症状が分類されます。

欠神発作

突然意識を失った後、20~30秒ほどすると意識が戻ってくるように終わる発作です。

欠神発作は特に幼児に多く見られます。

幼児に発症した場合は注意がそれていたり白昼夢を見ているような状態と似ているので、しばしば間違われます。

ミオクロニー発作

両手や両足が突然ピクンと反応する発作です。

手に何かを持っていた場合、思いもよらぬ力で遠くに投げ飛ばしてしまう事があります。

ミオクロニー発作は朝方に起こりやすくなります。

強直発作

「強直」とは全身が硬直するタイプのけいれんを指します。

強直発作は意識を失った後で全身が痙攣し、呼吸が止まってしまう症状です。

手や足をグッと突っ張ったかのような感覚にとらわれる事が多く、人によっては唸り声をあげる事もあります。

強直発作は寝入りばなや眠りから覚める時に起こりやすくなります。

強直間代発作

「間代」は強直に対して、全身がガクンガクンと動くけいれんを指します。

強直間代発作は前述の強直の後に間代が起こる発作の事です。

発作は前兆もなく起こり、急に意識を失って唸り声をあげながら倒れこみます。

その後で強いけいれんによって体がビクビクと動き、1~2分くらい経つと手足が部分的にけいれんします。

脱力発作

立っていたる時などに、突然ガクッと崩れ落ちてしまう発作です。

強直発作と対照的な症状で、幼児に多く見られます。

脱力発作の特徴として、倒れこむパターンが常に決まっているため、頭や顔などの同じ部分を打って怪我をしやすくなります。